はじまりと最後まで

確か、場所はここで間違いない。




貴方が最後にログアウトしたのは、この場所だった。

もう、あれから何年経ったのかわからないくらい時間は過ぎている。

当時、ブログというものが盛んだった頃、FF11が共通のテーマでブログ伝い
で初めて知り合った。FF11サーバーは異なり違う世界で各々生きていたが、
ある日、結果的に僕のサーバーで僕が招く形で一緒に遊ぶことになった。

それからはと言うと、同じLSに所属しほぼ毎日、当然の様に遊ぶ日が続いた。
当時は楽しい事や悲しい事の繰り返しで色々あったけど、それでも幾度となく
乗り越えてきたし、その時はそれが日常でずっと続くものだと思っていた。


しかし、僕の事情により、引退という言葉は大袈裟だがFF11から離れること
なった。これでも昔からLSのリーダーをしていたので、仲間を残して去って
行くのには申し訳ない気持ちがあったが、当時のブログやLSのホームページ
伝いで連絡や近況は知れたので、僕的にはホッとしていた。
 
想像以上に貴方が楽しそうに過ごしているのを知って、少し嫉妬もあったが、
それでも何より、今のサーバーに馴染んで貰えた事が良かったと思えた。
そして、何年か、しばらく時間は空いてしまったが、まとまった時間が取れる
ようになったので、ようやく復帰が出来た。
 

だが、残念な知らせが待っていた。
僕との入れ違いで、今度は貴方がFF11から離れることになってしまったのだ。
話を聞けば、リアルの環境的な問題でどうしても辞める以外に選択肢は無か
ったので引き留める余地も無く、黙認するしか無かった。
 
残された時間はほとんど無く、大した事は出来なかったけど、最後まで楽しい
時間をLSメンとも一緒に過ごすことができた。


そして、最後は一番好きなエリア聖地ジ・タでログアウトしたい。
貴方の要望に僕は同行し、光輝くクリスタルの側で、ここ数年の思い出話を
明け方まで数時間した。話を聞いてると、僕との思い出より他の話題の方が
多かった気もするが、それも一緒にいた時間を考えれば当然だった。ただ、
最初と最後に立ち会えて貰えて良かったと貴方が言ってくれて、僕も同じ気持ち
だったので本当に良かった。
 
そうして、貴方は静かにかがみ込み最後のログアウトをし僕はそれを見送った。
 

僕は見送った後もログを見直し、その場に立ち尽くしていた。
 

これで良かったのか、他に何か出来なかったのか、しばらく考えていた。
その時すぐに答えは出なかったが、貴方の最後の一言を思い出すと今では
良かったと思えるし、聖地ジ・タという場所とここに流れる背景のBGMは、
今でも貴方との僕の記憶を強くし続けている。

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    霧月 (火曜日, 02 1月 2018 05:36)

    もう一度、全く同じこのポイントにヴァナ出現して貴方に/tellできたら、いいなぁ